ポエムです。パッと勢いで書くので反論の余地があるかと思います。
あと何にやりがいを感じるかも多分かなり人それぞれだとは思います。
経緯
最近あらためて思うのが、よほど高度な技術を使っていない限りWeb系企業におけるエンジニアってあくまで守の存在なんですよね。プロダクトのやりたいことを妨げないために堅実にしっかりと物を動くものを作っていく。ただしそれは必要条件でしかなくて、事業が駄目なら成功しない
— きりみんさん(きりみんちゃんのマネージャー) (@kirimin) November 6, 2019
エンジニアがどこまで仕様に口を出せるかは組織の体制や規模にもよるけど、やはり事業開発においてエンジニア一人がプロダクトの成功に与えられる影響力はあまりにも小さい。失敗に与えられる影響力は大きいけど🤭
— きりみんさん(きりみんちゃんのマネージャー) (@kirimin) November 6, 2019
ので、以前某氏がブクマで雑に言われてた「でもお前が関わって大成功したプロダクト別に無いじゃん」みたいなのはエンジニアに対して言われるときびしさがある
— きりみんさん(きりみんちゃんのマネージャー) (@kirimin) November 6, 2019
エンジニアとしてやりがいのある仕事は「めちゃくちゃ最高のサービスですごいポテンシャルがあるけど優秀なエンジニアが採用できなくて開発がボトルネックになってる😢」という現場かもしれない
— きりみんさん(きりみんちゃんのマネージャー) (@kirimin) November 6, 2019
ドラクエウォークだってバグめっちゃ多いけど、だからといって「じゃあテクテクテクテクやろ!」とはならないんだよな...
— きりみんさん(きりみんちゃんのマネージャー) (@kirimin) November 6, 2019
思うところ
最近Web業界で人手不足が深刻っぽくて、どこもエンジニアを募集しているし、なかなか採用出来ないという話もよく聞く。
で、エンジニアというとぼくの好きな書籍「情熱プログラマー」にも「いちばんの下手くそでいよう」と書かれているように、優秀なエンジニアチームで仕事をすることがエンジニアにとって成長できるし幸せであるという共通認識が業界としてあると思ってる。
その影響で、Web系企業のエンジニア採用文脈(Meetupや会社ブログ)では如何に優秀なエンジニアがすでに在籍しているかをアピールポイントとしようとしている事が多いように感じる。
たしかに自分も界隈で名の通ったエンジニアと一緒に働いたり技術に対する意識の高い企業で働くことは刺激的で魅力的だと思う。
しかし、実際には経緯のセクションに書いたような現実もあり、いかに優秀なエンジニアが揃っていても事業戦略やプロダクトデザインが上手くいっていなければサービスは成長しないのである。
最近よく燃えた某社なども優秀なエンジニアを長年たくさん抱えていたにも関わらず技術的にも事業的にも長年停滞していた事などが印象的だ。
いくら優秀なエンジニアを抱えていても、そのリソースを最大限使いこなすためにはAndroidやiOSなど各プラットフォームの特性をよく理解したプロダクトマネージャーやデザイナー、プロジェクトを正しく運用して柔軟にリスク管理や改善などが回していける環境をつくれるプロジェクトマネージャー、エンジニアのことをよく理解してくれるエンジニアリングマネージャー、そして何よりもプロダクトに対して正しい意思決定が出来る経営幹部が必要だ。
もちろんこれらの人材がすべて揃っていたら苦労しないという話ではあるが、個人的な印象として優秀なエンジニアを採用することや在籍させることへのモチベーションに対して、上に挙げたような人材の重要性はあまり理解されていないように感じる。
多くの会社でエンジニア採用に対して非常に高い技術水準を求めている一方で、PMやデザイナーは新卒などが起用されがちで、アプリの開発プロジェクトが未経験だったりプラットフォームの特性やプロジェクトマネジメントについての知識が不足していたりすることが多い。
働くエンジニアにとっても、チームに優秀なエンジニアが揃っている環境と優秀な多職種が揃っている現場のどちらがより働きやすいかは再考する余地があるのではないかという気がしている。
技術的負債が山積であることはエンジニアが解決できる問題なので別に大した問題ではない。というかそれを改善することこそが「優秀なエンジニア」のちからの見せ所である。
一方でプロダクト自体の方向性に疑問があったり、プロジェクトマネジメントが破綻していたり、アジャイル的な機能改善のフローが回っていない環境であればエンジニアにとってストレスフルであるし、それを1エンジニアが改善していくのは組織の規模にもよるがかなりしんどい。
「すでに優秀なエンジニアが多数在籍しているがプロダクトが魅力的ではない」現場よりも「優秀なエンジニアは足りていないがプロダクト自体は非常にポテンシャルがあり、マネージャーやデザイナーには優秀な人材が揃っている」という現場の方がエンジニアとって働きやすいしやりがいも感じるのではないだろうかという気がしている。
というわけでタイトル
表題に戻ると、エンジニアを採用したい会社は社内の技術的な意識の高さやスターエンジニアが在籍していることをアピールポイントとする傾向が強いと感じているが、それよりも知りたいのは優秀なデザイナーやマネージャーが在籍していてきちんとプロダクトの開発フローが上手くいっているかや「正しいもの」を作れているかどうかという気がしている。
もちろんそれはエンジニアやプロダクトにおける技術の影響力を軽視していたりエンジニアの扱いが悪くても構わないというわけではない。
エンジニアや技術に対して理解がある環境なのはIT企業としては当然の最低条件であり、その上で優秀なエンジニアを集めるためにアピールするべきなのは上記のような部分なのではないかなーと思った。