まいくろ🍣きりみん

きりみんさんのマイクロブログです。ブログとTwitterの中間くらいの文章を書きます。

ポケモンLEGENDSアルセウスを2週した(レビュー)

ポケモンLEGENDSアルセウスの感想、レビューエントリです。ストーリーの大きなネタバレはないつもりですがシステム面のネタバレはあります。
結論からいうと、めちゃくちゃ楽しめたし今後の展開も楽しみだけど、改善してほしい部分も多いという概ね普通の感想です。
ただ細かく語りたい部分が色々あったので記事を書いておこうと思った。

プレイ前の印象

自分は初代ポケモン世代でポケモンというIPがそれなりに好きだけど、一方でそこまでポケモンというゲームを愛しているかというとそこまでではなく、とりあえずシリーズは一通りクリアしているというくらいの感じ。

最近の既存のポケモン本編シリーズに関しては、世界観やキャラクターなどは楽しめるし冒険の中でポケモンに出会ったり好きなパーティを組んだりという要素は楽しい。
一方で、基本的に難易度が低くほとんどのジムリーダーが相性を理解していれば一瞬で溶けてしまうのは寂しいと感じるし、バトルがメインとなるストーリーのわりにバトルが味気なさすぎるという気持ちもあった。
対人戦ややりこみ要素に関しては、個体値や性格のための厳選というシステムが単純にダルいというだけでなく世界観を壊しているようにも感じあまり好きではなく、色違いの確率などもそうだけど、必要以上に面倒な要素を入れるのが好きなシリーズだなぁという印象がある。

アルセウスに関しては、発表された時から期待する一方で、PVを見ても具体的なゲームシステムがあんまりよく分からずどのくらいの種類のポケモンが登場するかもわからないし、オープンワールドのようにも見えるしもっとモンハンのようなこじんまりとしたゲームのようにも見えたので、どのくらいポケモンらしい面白さが得られるのかという不安が大きかった。

プレイしての所感

プレイし始めてすぐに、心配していたようなボリュームのないスピンオフ作品ではなくしっかりとポケモンらしい体験が出来るゲームだと分かり安心した。
アルセウスは厳密にはオープンワールドではないが、いくつかあるマップの一つ一つは十分なほどに広く自由に探索出来る。
登場するポケモンも期待以上に多く(200種類以上)、広大なフィールドを歩き回って珍しいポケモンを探すという昔から憧れていた体験をすることが出来た。
バトルシステムが従来のポケモン本編シリーズとほとんど同じであることも個人的には安心した。
一方で野生のポケモンがやたらと強かったり、対戦するトレーナーも賢く全体的に難易度が高めなのも個人的には嬉しいポイントだった。
ストーリーや登場人物などもポケモンとしては新しい視点で書かれていて新鮮な一方でポケモンらしくもあり良かった。

システム面の話をすると、基本的なポケモンシリーズのバトルや育成のシステムを踏襲しつつ、かなり大胆に、ある意味負債ともいえる、面倒なルールを廃止している。
たとえば個体値はどうやらないようだし、努力値は簡単に手に入るアイテムで好きなパラメーターを強化するだけ、特殊な進化に必要なアイテムも比較的簡単に集められるし、もちものもなし、色違いポケモンは普通にプレイしていればクリアするまでに1,2体はであるくらいのレア度になっている。
技を覚えるのも進化させるもメニューからいつでも出来るし、わざマシンもなくなり覚えられるわざは全て同じ場所で覚えさせられる。
このくらい面倒なことがないシステムであれば対戦などのオンラインコンテンツも遊びやすいだろうと思うので、オンライン対戦が実装されていないのがとても残念。

また、今回は自由に探索しながらたくさんのポケモンを収集するという部分に重点が置かれているため、そのテンポを損なわないように徹底的に配慮されているのもさすがだと思った。
ロード時間も十分に短いし、ポケモンを捕まえるだけで経験値が入り手持ちがレベルアップしていくが、進化やわざを覚えるなどのアクションが手動になったことで探索中にいちいち割り込みされることがない。
フィールドでボールを投げてポケモンを捕まえるのはPVで見ると子供だましのように見えたけど、実際にプレイすると絶妙な効果音や新しい図鑑システムと相まってとても楽しい。

ポケモンというIPはたくさんのポケモンが登場するというだけで楽しく、ポケモンが魅力的に描かれていればいるだけそのままゲームとしての楽しさにつながる。
ただしそれだけではなく、ポケモンというゲームのシステムには他のゲームにはあまりない絶妙な面白さというのがあると思っていて、その魅力を失わないままに大胆にモダンに生まれ変わったアルセウスは自分にとってはまさに求めていたものだった。

難点、気になった部分

まずグラフィックのクオリティがいまいちであることが最初に気になった。 実際にプレイしているとそこまで体験を阻害されるわけではないんだけど、Switchのスペックの制限があるにしても、特にフィールドのグラフィックはPS2みたいな感じだし、描画範囲も狭く、遠くにいるポケモンがカクカクしているのはあまりにも滑稽に見えてしまう。
マップの細かい部分やキャラクターの挙動なども荒削りというか、作り込めなかったんだろうなぁという感じがしてしまう。
ただし、ポケモンのモデルだけはいつもどおり完璧に近いのでそこはさすが。

次に気になるのが操作性の悪さだ。ダッシュがスティック押し込みなのに始まり、投げるアイテムの切り替えやライドポケモンの移動しながらの切り替えなど、「いやその操作は指が足りないが」というようなキーマッピングが多い。テンポよく操作出来るように気を使うあまり操作が複雑になっているような感じがある。

システム面でいうと、ここまでテンポに気を使っているのに持ち物の制限は必要だったのか?という気持ちはかなりある。
他にも細かいUIで気になるところは多くて、これは大きくシステムが変わった1作目だから仕方ないかなぁとも思う。

野生なポケモンがポケモンスナップのようにもっと多彩なアクションをしていたり工夫した捕まえ方があったらもっと良かったなと思うが、このあたりも次回作に期待したい。

バトルはリアルタイムにするべきだったのか?

jp.ign.com

このレビュー記事の中で「アクション要素が増えたのにポケモンバトルが従来どおりなのが違和感あるしテンポも悪い。完全なアクションにした方がよかった」と書かれているが、個人的にはその意見には全く同意出来ない。

まず単純に全く別物になってしまったら従来のポケモンバトルファンを見捨てることになるというのもあるけど、それだけではない。
ポケモンのバトルシステムは非常によく出来ているし、長年のシリーズによってとても洗練されバランス調整などもかなり頑張っている。
ポケモンシリーズのバトルシステムを踏襲しているからこそ荒削りな本作でもRPGのポケモンとしてのいろいろな面白さを損なわないまま全く新しい体験を作ることに成功しているのだろう。
これを安易なアクションバトルシステムに変えたとしても、よほどそこに莫大なリソースを割かない限りは単調でありふれた大味なものにしかならないだろう。(ブレスオブザワイルドなどは逆にそこがメインなのでそこに莫大なリソースを割いているだろう)

そもそもでいうと、全てのRPGをアクションバトルにすればいいというのは洋ゲー(というかアメリカゲー)的な考え方で、別にそうである必要はないと個人的には思う。
ターンバトルシステムはポケモンというゲームの本質的な側面であり、たとえばストラテジーゲームがストラテジーゲームでありデッキ構築ゲームがデッキ構築ゲームであるように、そういうジャンルなのである。
おそらく多くのポケモンファンはポケモンというジャンルが遊びたいし、ポケモンというジャンルで対人戦がしたいのである。
そこを変えるとしたらそれはポケモンシリーズの続編には絶対になり得ないし、おそらく開発者はポケモンLEGENDSを新しいポケモンシリーズ本編にしたいという意図を持ってこの実験的なタイトルを開発したのだろうと想像する。 あくまで個人的な意見である。

まとめ

とても楽しめた。面白すぎてクリアしたあとにデータを消してもう一回クリアした。気が早いけど次回作やDLCなどに期待したい。個人的には今後のポケモン本編はこの方向性で続いてほしいと思った。